昔の本は、情報の宝庫だったりします

コロナ禍続き、営業自粛を余儀なくされているのが現状です。

何をしているのですかと、こんな状況の中でご来店いただけるお客様に訊かれることが意外と多いです。


自宅にはたくさんの蔵書がありまして、それらを整理したり、読み漁ったりしております。

日本酒に興味を持ち始めて、面白そうな日本酒関連本と出合っては、その多くを購入することが多かったです。

改めて、目を通してみると、忘れていることや、意外な気づきに出合い、これはこれで良い時間になったなと思っています。




例えば、この本。

昭和62年(1987年)に発行された「純米酒の本」です。

古本屋でも売っていないし、Amazonでも登場しないのではないでしょうか。

880円の値段が記載されていますが、消費税は書かれていません。

消費税が無かった時代の頃のものです。


特定名称の表記が広く知れ渡るようになったのは平成になってからのことです。

それより前に、「純米酒」に拘りを持つ蔵元さんがテーマとした本です。

相当読み応えがあり、興味ある事柄が多数掲載されていました。

今なお光放つ蔵元さんもあれば、姿を消してしまったお蔵さんも残念ながらありました。


純米酒の県として、純米酒比率が高い宮城県ですが、この本で取り上げられた蔵元さんは僅か4つです。

宮城県が純米酒の県と宣言したのが、昭和61年(1986年)11月のことです。

こうした流れを汲んでのことか、どちらがきっかけとなったのかも分からないことです。

ですが、全国的には宮城県の酒は全国的にマイナーであったことは事実でしょう。

この宣言の効果で、宮城県の純米酒比率が高まることとなります。


気になるのは、この本で取り上げられた宮城県の4つ酒蔵さんでしょう。

銘柄名メインで記載されていますので、それに倣います。

「わしが國」「勝山」「鳳陽」「新関」でした。

一番多いのが、17銘柄の秋田県です。

現在金賞受賞数が一番多い福島県は、13銘柄です。

今をトキメク銘柄は、ほとんど登場してこないのも興味深いところです。

この本の出版時にトキメイテいた蔵元さんはどうなったのか…それも興味深く、今後の日本酒業界を占うことにもなりそうです。

…続きは、お店にてぜひどうぞ!



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